笹団子Story ~新潟の郷土食 笹だんご~

普段はくず米やおいしくない米をうまく食い繋ぐように作られてきた笹団子ですが、ハレの日に食べる笹だんごもあります。それは、やはり端午の節句です。

この笹団子は上等の米の粉をつかいます。田植えの時期になると笹の葉の緑も鮮やかに、ヨモギの新芽も出始めます。その春の香りが漂う品々を使いハレの日においしい笹団子を食べる風習がありました。
端午の節句を祝う笹だんごやもちの種類には地域性が強く、伝統の強さがあります。

当地、岩船地方では月遅れの節句、六月五日が農繁期にあたるので、七月一日にしょうぶ湯に入り、かしわもちを作ってお祝いをします。岩船地方でも、蒲原に接する地域ではかしわもちではなく、笹団子が多くなります。

笹だんごを作る地域の分布は蒲原から古志、三島、刈羽、魚沼に限定されていて、頸城と佐渡では作らないとされています。しかし、新潟県の東南に隣接した会津地方では作られています。そのうえ三角ちまきも作られています。また、三角ちまきも笹団子と同じような分布です。

笹団子を作らない地域では、その代わりに節句に笹もちを作るそうで、県央地区と魚沼でもこの笹もちを作っているので、この両地域はいろいろなだんごやもちを作る地域となります。

笹だんごというものは、日常生活に当たり前のようにあったものですが、その使い分けが多様で、古くから新潟県民にとって切っても切り離せない「郷土食」になったのです。