つくられる地方によって材料や包み方などに変化が多く、用いる日も端午の節供や祇園祭以外に、山形、秋田地方で正月に食べる笹(ささ)巻き、沖縄で食べる鬼餅、島根地方でつくる笹巻餅などがあります。
また種類ではこれらのほか、宮城県白石市の三角にしたちまきの隅々に大豆を詰める三角ちまきや、同地方でカイコの繭形の餡(あん)入りちまき、岐阜県中津川地方に伝わるカリヤスちまき、鹿児島地方の竹皮でくるんだあくまきなど多様にあります。
特にあくまきの製法には古い時代のちまきの仕法があるようで、糯米をといで竹皮に盛り、よくくるんで竹皮の紐(ひも)で縛ります。一方、クスの木の根を燃して灰をつくり、これで灰汁の上澄み液をつくります。
この液に竹皮包みの糯米を一昼夜ほど浸し、4時間くらいゆでると糯米は餅状になり、半透明の飴(あめ)色をし、舌ざわりは葛餅(くずもち)のような感じで、硫黄(いおう)臭のような特有のにおいがつきます。
ちまきは本来きな粉や黒蜜(くろみつ)で食べるものでした。今ある和風ちまきや中華ちまきなどは、その後各地で改良されできたちまきと言えるでしょう。